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新年のご挨拶

 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

 年が明けて、1月1日にWHOのICD-11(国際疾病分類の第11回改訂版)が発効しました。一見したところ、我々養成校には直接関係のなさそうな出来事に思えますが、実際には、今後、あはき師養成教育の中でこそ、この疾病分類を用いたコーディングやデータの集積に対応できるあはき師を育てるための取り組みが必要となってくるのではないかと予想しております。
 
 ご存じの通り、ICDの今回の改訂では第26章「伝統医療分類モジュールⅠ」が新たに設けられ、日中韓の伝統医療による疾病分類のコーディングができるようになりました。しかし、以前からICD-10を用いてきた現代医療とは異なり、伝統医療においては日本語訳やデータの集積方法から議論されている段階です。例えば療養費のレセプトフォームと連動させる、電子カルテに組み込むなどのアイディアが出ていますが、患者さんのプライバシーに配慮したものであることは必須です。
 
 個々の臨床記録に疾病分類のコード(伝統医療または現代医療のコーディング、できれば両方)をつけて集積することで、これまで臨床試験の成果を中心として行われてきたEBMに、母数の大きいリアルワールドデータからの知見が加わることになります。また、あはきのリアルワールドデータが集まることは、わが国の医療全体において、あはきがどのような存在感を示すのか、今後の見通しはどうかなど、業界の取るべき行動や未来を示唆してくれることにもつながります。
 
 しかし、カルテすら義務とされていないあはき師の臨床において、個々の臨床にコードをつけて記録・提供することが、本当にできるのでしょうか?単に手間のかかる作業が増えるという認識では、続けていくことは難しいでしょう。しかし、簡単に入力できる工夫が行われ、データを活用して個々の臨床を比較・対象化できるなどのメリットを味わうことができれば、「便利なツールがひとつ増えた」という捉え方もできるのかもしれません。
 
 臨床統計以外にも、あはき業界として整備していかなければならないデータは様々ありますが、ICD-11は国全体として環境整備がおこなわれている最中であり、新たに参画しやすい状況です。コロナ禍で臨床家にとって厳しい日々の中で、より良い業界環境に卒業生を送り出すには、学会や業界団体と手を携えて、これまで以上の工夫や試行錯誤も覚悟しなければならないでしょう。
 
 この2年、会員校の皆様も、地域ごとの状況に応じて、まさに臨機応変の対応を講じてこられたことと存じます。これからも感染症をめぐる社会情勢は予断を許しませんが、皆様のご協力をいただきながら、着実に活動を進めてまいりたいと思います。どうぞお力添えいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

公益社団法人 東洋療法学校協会
会長 清水 尚道
© Japan College Association of Oriental Medicine.

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