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の歳になると、家庭内や職場でいろい
ろと悩みの種も増え、ストレスを感じ |
やすかったり体調がすぐれなくなったりす
るものです。これといった病気ではなくて
も、胃が痛むとか、気分が沈みがちといった
不定愁訴を抱える女性も少なくありません。
「いつも胃の調子が悪い」という人がいま
すが、胃は心臓と同じように気分や情緒に
左右されやすい器官ですから、神経質な人
や苦労性の人は慢性胃炎になりやすいので
す。医師に診てもらっても「精神的なもの
ですよ」といわれるケースが多いものです。
このような人は、いってみれば「半病人」と
いえるでしょう。あえて病名をつける程の
症状ではないものの、各器官、臓器の機能
は確実に低下しており、自律神経失調症と
いう診断をされることもあります。
紀元前に書かれた中国の医学書に「思い
過ぎると脾(胃)の病気が起こる」と記されて
いるように、ストレスが原因で胃潰瘍にな
ることは古くから知られていました。動物
実験でも、ストレスを与えると潰瘍ができ
るということがわかっていますが、鍼灸を
行った後の動物にストレスを与えても潰瘍
ができにくいという報告がされています。
鍼には、自律神経の緊張を緩和し、バラ
ンスのとれた状態にする働きとともに、内
臓の機能を回復させる働きがあります。そ
のため、ストレスを抑制したり、胃腸の調
子をよくし、体調を整えることができるの
です。
また、この時期は乳ガンや子宮ガン、動
脈硬化、心臓病といった成人病がそろそろ
目立ちはじめる頃でもあります。バランス
のとれた食事を一日三回とり、適度な運
動を継続するといった、日常の何気ない習
慣が成人病予防の重要なポイントです。日
頃から体調を整えてストレスをためこまず、
成人病を予防するという点でも、鍼灸治療
は最適だといえるでしょう。 |
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黄帝内経には、「35歳になると、陽明
経の脈が次第に衰え、顔面部はやつれ
はじめ、毛髪も抜けはじめる」と書か
れています。
●生理学
体力の衰えを感じはじめ、乳ガンや
子宮筋腫、子宮ガンといった女性特有
の病気や動脈硬化などが目立ちはじめ
る時期です |
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